ピアニストの辻井さんの演奏が好きです。
初めて知ったのが去年の暮れで、ラ・カンパネラという美しい曲を数人の演奏家が演奏しているのをまとめて聴き比べられるようにしてあった動画を見たのがきっかけです。
同じ曲なんですが演奏に個性があって、こんなにも違って聴こえるものなのだなと、初めて「表現」を感じた気がしました。それまでは漠然と、好きな「曲」として聴いていたのだと思います。
そして、ピアノという楽器の奏でる音の美しさに改めて感動しました。
子供の頃から、他の楽器と違って身近に感じられてピアノ。
音楽室にもあったし、小学生の頃は習ったこともありました。
でも、私にとっては習い事の一環の中のピアノになっていたのだと思います。
その美しさや表現の素晴らしさを知る前に、それにたくさんの美しい曲に出会う前に離れてしまいました。
最近は辻井さんのラフマニノフの2番が大好きすぎて、何をしていても脳内再生しています。
作曲家の作ったハーモニーの美しさにも感動します。
一体どんなことを感じながら作曲していたのだろう、どんな音が聴こえていたのだろう、何が見えていたのだろう・・・頭の中をのぞいてみたいくらい美しい 笑
喜んでいるときも悲しかったり怒りの感情が湧いてくるときも、希望や絶望を感じているときも、どんなシーンにもマッチしてしまうこの曲の不思議さ。
メロディーに、リズムに、光る粒のように煌めいている希望を含んだ音に、人生って何が起きていても、こんなにも美しいものだったんだなぁと教えられた気がします。
そしてどんなことでも全うした先にはあんなに美しい祝福が待っているんだなと・・・
辻井さんのラフマニノフの2番を動画で検索すると、いろんなオケと一緒に演奏されているものが見られるのですが、BBCフィルと演奏されていたものが特に好きです。
サウンドやテンポもそうなのですが、オケの演奏家がうっとりとしながら演奏していたり、目を合わせて微笑みながら演奏しているシーンにも感動で鳥肌が立ってしまいました。
もしかすると演奏家にとっては過去に何度も演奏したことのある演目なのかもしれませんが、きっとこの演奏会で、自身も感動を覚えたり、美しさや幸福を感じたり、一体感を感じたりするような、特別な瞬間を体験されたのでしょうね。
素敵な演奏というだけじゃなくて、そういう演者の皆さんの喜びまでをも感じることができて、私にとっては幸せになれる動画です。
いつか辻井さんのラフマニノフの2番を生演奏で聞いてみたいなぁ・・・⭐︎